アミノレブリン酸蛍光ガイド手術

アミノレブリン酸(ALA)はヘムの前駆体で(図-4)、癌細胞の膜上に発現しているトランスポーター(Peptide transporter PEPT1)を介して細胞内に取り込まれいくつかの酵素反応を経てProtoporphyrin IXとなる。一方、正常細胞にはトランスポーターの発現が少ないので、ALAの取り込みは少なく、ALAは癌に特異的に取り込まれると考えられている。また、癌細胞内にはFerrochelataseが少ないためProtoporphyrin IXはHemに生合成されることなく、細胞内、特にミトコンドリア内にProtoporphyrin IXが蓄積する。405nmの紫色の光を照射するとProtoporphyrin IXにより励起され、635nmの赤い蛍光を発する。この光を手がかりに小さな播種を切除したり、アルゴンビーム凝固装置で播種を熱変性させることができる。この手術アミノレブリン酸蛍光ガイド手術を開発し、完全切除の精度を上げている (図5-1)。

 

アミノレブリン酸の構造(図-4)
図-5-1 アミノレブリン酸蛍光ガイド手術:赤く光っているのが播種巣で直径0.5mmまで発見できる。
図-5-2 アミノレブリン酸投与後癌組織特異的に蓄積したPpIXを405nmの励起光で照射すると癌組織が赤い蛍光を発する。
図-5-3 癌組織が発する赤い蛍光を発する部位をABCで焼灼する。
図-5-4 焼灼後は赤い蛍光は消失している。これは癌巣が消滅したことを示している。
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